大人の矯正
矯歯と顎、そして顔全体の調和をその人にとってのあるべき状態へ
矯正歯科とは?
矯正歯科とは、不正咬合や顎変形症の治療をします。つまり簡単に言うと出っ歯や乱ぐい歯、八重歯などの歯並びをきれいに治すということです。
ワイヤーなどを使い、自分の歯を生かしたまま、歯を正常な位置に移動させる方法や、もしくは上顎骨、下顎骨の形態変化を起こすことで、顎口腔機能の回復やその予防を行います。歯の不正咬合は多くの疾患や機能障害の原因となるため、矯正歯科はとても重要な治療となっています。ですが、日本では保険が適用されないため、保険外の自費診療となります。
矯正治療は、単に歯並びを美しくするということだけでなく、歯槽膿漏や虫歯、咀嚼障害等の病気を予防するためにも重要な歯科治療となっています。歯を矯正することにより、ガタつきがなくなりこれらの原因となるプラークが歯に付着しづらくなり歯の寿命を延ばすことにつながります。
矯正歯科治療の器具の種類
矯正歯科治療には、多くの治療器具があります。まず一番オーソドックスなのが「金属ブラケット」です。金属性なのでとても丈夫で多くの症例に適用しています。昔は、歯面全体に金属のバンドが表面に張り付いていたのでかなり目立っていましたが、現在では、接着剤の発達により小さな金属の粒といった感じで昔ほど目立たなく改良されています。また価格も他の装置より安くなります。プラスチックで目立たないブラケットもあり、白色や透明なので金属ブラケットに比べると目立ちません。
そして、最近人気があるのは「マウスピース矯正」です。これはマウスピース型の矯正装置で、装置が透明なので目立たず取り外し可能です。そのため、食事や歯ブラシの邪魔になりません。取り外しが可能なため、口の中を清潔に保つこともできます。また、ブラケットやワイヤーを使用しないため口の中が切れたりすることもありません。
このマウスピース矯正の魅力はなんといっても目立たないということです。矯正は目立つということから見た目が気になっている方にはおすすめです。また、金属を使用しないため金属アレルギーの方にもおすすめです。
「インプラント矯正」は、インプラントを支えにして他の歯を動かします。他の治療法は、自分の歯を支えにして他の歯をうごかしていきますが、この治療は比較的早く効果が現われやすく、短期間で治療ができます。
矯正歯科治療の方法
矯正歯科治療で大切なことは、自分にあった矯正を行うことです。
まずは、カウンセリングを行います。その際に、自分の希望の装置があるか、また日常生活で気になるところがないかの診察をします。その後、歯科医師の診察の元どのような矯正装置が適しているのか、費用はどのくらいなのかの説明を行います。患者さん個人の思いもあるのでカウンセリングの時にしっかりと自分の希望を伝え費用の相談もして下さい。
その後精密検査を行います。精密検査では顎の骨や歯の生えている角度などを調べるため、レントゲン撮影を行います。また、レントゲン撮影では隠れている虫歯の有無もわかるのでそれもチェックします。その後、歯並びや噛み合わせを診察し、歯の模型を作成するための型取りをします。
その後、矯正装置装着までの準備を行います。虫歯などがある場合には、装着前に治療しておきます。また、歯を抜く必要がある場合には装置装着前に抜歯し、その後、矯正装置を装着します。装置の装着期間は個人差があります。矯正装置の装着期間中はメンテナンスのため通院が必要となります。
装置の装着後は歯磨きの練習やアフターケアを行います。矯正装置の装着が終了したら保定という歯が元の悪い状態に戻らないために抑えてくリテーナーを装着します。このリテーナーという装置をつけ、経過観察をします。この期間は、矯正治療で歯を動かした期間と同じだけの期間が必要となります。そして、全ての経過観察が終了後、矯正治療は完了となります。
基本的には、症例によってこの装置が適していると診断された場合に使用します。それを前提としたうえで、マウスピースなどと比べると目立ちやすい装置なので、仕事や生活環境でそれを気にせずに済む方に向いています。
特徴
ワイヤーを用いて、お口の中全体の歯並びを整える治療方法で、抜歯を伴う症例に用いられることが多いです。素材によって見た目が違いますが、当院で使っているクリアブラケットは白みが強く、比較的目立ちにくいことも特徴です。
リスク
唇の裏側に接する形で装着するので、治療開始から間もないころは口内炎などになる方もいらっしゃいます。また、スポーツなど、強い衝撃を受けた場合にも装置でお口の中が切れてしまうことがあるので注意が必要です。
基本的には、症例によってこの装置が適していると診断された場合に使用することになります。口を開いた時に、装置が目立ちにくいので、接客業など、人目に触れることが多い方に向いている装置と言えるかもしれません。
特徴
ワイヤーによってお口の中全体の歯並びを整える治療方法ですが、上顎部の歯に裏側、下顎部の歯に表側の装置を装着します。抜歯を伴う症例でも対応が可能で、装置が目立ちにくいことも特徴です。
リスク
他のワイヤー矯正と同じく、装置が当たった部分が口内炎になりやすい、強い衝撃で切れやすいといった特徴があります。また、歯磨きもしにくいので、装置を付けた部分のまわりが虫歯になるリスクも高いと言えます。
症例によってこの装置が適していると診断された場合に使用します。表側のワイヤー矯正に比べて目立ちにくいということが利点になるので、接客業など、人目に触れることが多い方に向いている装置と言えるかもしれません。
特徴
ワイヤーを用いて、お口の中全体の歯並びを整える治療方法ですが、歯の裏側に装着することが特徴です。基本的なメリットは表側に装着するワイヤー矯正と似ていて、抜歯を伴う症例にも向いている治療方法です。
リスク
表側と逆に、舌に接する形で装着するので、治療間もないころには舌が切れて口内炎のような症状が出る場合があります。また、歯磨きもしにくいので、虫歯になるリスクが高いということも特徴のひとつです。
症例に合わせて使用していきます。多くの場合は患者さまの希望というよりは診察結果によって、マウスピースの補助的な役割で使用することの方が多い装置です。
特徴
お口の中全体ではなく、特定の歯にだけワイヤーを装着し、その部分の歯並びを整える治療方法です。捻転した歯を整えたり、その後のマウスピース矯正につなげたりと、限定的な場面で使用することが多い装置です。
リスク
部分的な装置とは言え、ワイヤーが当たるところが口内炎になりやすかったり、強い衝撃で切れてしまったりすることがあります。また、装置を付けた部分の歯磨きがしにくいので、そこだけ虫歯になるリスクが高いとも言えます。